自分がその現場にいない話は、聞くだけにする

よく聞くことだが、
「○○さんから聞いた話なんだけど、
 どこどこで何々したらこうなったんだって。
 あり得ないよね」という会話がある。
文体的に女性口調だが、性別に関係なくよく耳にする。

同業・他業に関わらずこういった話を聞くのは割と好きな方である。
理由は、自分でその状態を想像して
「だったら(前提条件)をどうするか」
を考えるきっかけになるから(こう言ったことがないと私は本当に何も考えがない人間なんだとつくづく反省する。話がそれたので、本題に戻る。)

大体の問題は「思い込み」にあるように思う。

一つは『これくらい知ってて普通』『こんなの当たり前、できて当然』のような
対象への期待混じりの攻撃。
もう一つは『自分はそれについてよく知っている、すごかろう』という自己の大きさを伝えたい欲求。程度の強弱はあれどこういった「心の奥底にある考え」がその発言を促しているように思う。

この手の話は「どこまでが事実か」わからないことが罠だと思う。
(罠というか気をつけないとねという方が言葉の選び方として妥当)

先ほどの発言者の言葉を分解すると、
以下のことが具体的でないと、何をどうしたらよかったかわからないよねと思う。
・発言者と○○さんの関係性、○○さんの人となり
・発言者と▲▲さんとの関係性、○○さんと▲▲さんとの関係性、▲▲さんの人となり
・どこどこで何々したらこうなったの事実関係
・あり得ないと思う状況への妥当性
・▲▲さんはどこどこさんに何をすると期待していた?それは伝えていた?
・どこで何をするとこうなる「はず」は一般的なこと?
・一般的だとしても、そこでは「対応していない」のでは?
・どこどこさんの言い分は聞けないのか?
・そもそもどうしてそうなったんだ?
・○○さんが発言者に見せる自己と、それ以外に見せる自己が同一か?

とか。結局は当事者間でしかわからない話を聞き、
部分的な事実を切り取って、どこかに話し手の都合のいい解釈が混じってるかわからず
いい悪いの判断がどうできるんだろうと。

不満を別口で言う前に、本人に直接言えたらいいよなと思いつつ、
そういう状況や関係性ではない状況も十分にあり得るとも思う。
そもそも話していたのに伝わってないとか、
担当者によって言ってることが違うとかもある。
人は都合のいいように聞きたいことを聞くし、
面倒だと少しでも思うと都合良く簡単な問題にすり替えがちなので。
おそらく私もそうなのだろう。また話がそれた。

身近に見てきたので最悪だなと思うのは「あり得ない」と発言していた人が、
「今回聞いた話とまったく同じ態度を他人にとる」ことである。
この人は自分自身に「こうはありたくないという反対の呪文」を
自分自身にかけてしまっていた。とても矛盾した行動に思えた。

自分を知ったり大事にするには、世の中の仕組みや、
相手を知ること知ろうとすることってすごく大事だし、
そうすることで、近い関係の人ももっと大事にできると思う。
こう言ったことも「思い込み」なのかもしれないけど。

私は相談事に対して「こうしたらどう?」などと、
いちいち一言言ってしまう傾向がある。
相手は「ただ聞いてほしいだけ」かもしれないのに。
それで結構ヘソを曲げられることがある、気をつけよう。

取り止めも無くなったので、ここまでにする。

余談:こういう話をすると「女性は聞いてほしい傾向が、男性は解決に向けて助言したい」という例を見聞きするが、必ずしもこれにあてはならず、
男性であっても聞いてほしい人もいたし、私を含めて女性でも提案してくれる人はいっぱいいる。要するに話し手が何を望んでるかを聞くのがいい。
立板に水のように話す人が、必ずしも話を聞くのが上手ではないように。

一概に性別云々で区切られる世界がなくなればいいなと思ってる。
自分も気をつけようと思う、人や状況によるだろうと。